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2011-06

Garrard(ガラード)301 グリススピンドル仕様 オーバーホール S:不明


Garrard(ガラード)301 グリススピンドル仕様のオーバーホールでお預かりしました。

所見
◦シリアルナンバーの銘板無し
◦モーターの振動が過大
◦モーターを支持しているショックアブゾーバーが純正の物では無く、固着している
(上記2件のため、モーターの振動がシャーシーに伝わり、シャーシーに軽く手を当てただけで、大きな振動を感じました。かなりS/Nが悪化していたと思われます。)
◦グリススピンドル仕様にかかわらず、オイルが注入されている
◦スピンドルを固定しているリングが未装着
◦各部ワッシャーが未装着
◦アイドラー移動用のアームが、シャーシーに干渉している
◦スタートスイッチ片当たり
(上記2件、各リンクアームに歪みが有るために発生)
◦各ゴムパーツの経年劣化
◦ブレーキパッド減り
◦ノイズサプレッサー不良
◦33回転のみ回転早い
◦アイドラー劣化のため滑り大

処置
◦オーバーホール

処置内容
◦モーターOH(ハウジング交換)
◦スピンドルOH(グリス注入)
◦モータープーリ交換
◦ノイズサプレッサー交換
◦ブレーキパッド交換
◦トランスミッションマウントゴム交換(3個)
◦モーターサスペンションダンプゴム追加(6個)
◦全パーツ取り外しクリーニング(金属パーツはシリコンコーティング処理)・組み立て調整・グリスアップ
◦各リンク部品の曲がり修正
◦アイドラー交換
◦回転数切り替えレバー交換

シャーシーは再塗装され、見た目的にはキレイでしたが、本来はオイルスピンドル時期のシャーシに何故か?グリススピンドルが搭載されています。その他の部分が製品とは呼べない状況でした。銘板無し、ワッシャー無し、アームのシャーシー干渉、モーターの振動過大、モータースイッチの片当たり等々、ひどい状態です。
モーターに関しては、BBCのマークがスタンプされていましたので、放送局で酷使されたのでしょう。メタルが交換されていましたが、何故か?そのメタルに、横穴が開けてありました。オイルを循環させる為だと思いますが、それによりメタルの剛性が低下し、振動の原因になっていましたので、オリジナルのメタルが付いた状態で上下ハウジング毎を交換しています。また、モーターを支持しているサスペンションスプリングに、ダンパーゴムが本来ならば装着されているのですが、樹脂の様な物が装着されていて、これか完全に固着していて、本来のダンパーの役目をしていない状態でしたので、この樹脂を取り外し、本来の部品を装着しています。これにより、モーターの振動は本来の状態に戻っています。

 スピンドルには、オイルが注入されていて、?の部分ですが、ガスケットが3枚取り付けられていました。脱脂・クリーニング後、グリスアップを行い、ガスケットを1枚にしています。

 アイドラ移動用のリンクアームがシャーシーに干渉していた件は、各リンクアームに曲がりが有りましたので修正しています。この曲がりの為、モータースイッチが片当たりしていました。修正により、正常に当たっています。また、装着されていないワッシャーは、本来の状態に装着しています。

 プーリーは50Hz仕様を60Hz仕様に削った様ですが、特に33回転の精度が悪く回転数調整範囲ぎりぎりでしたので、60Hz仕様のオリジナルのプーリを交換しています。

 プラッターも見た目はハンマートン塗装。お客様の許可を得て剥離・再塗装しましたが、元々ハンマートンのプラッターでして、その後黒色に塗装、そしてその上にハンマートンを再塗装している状態でした。何度も剥離もされず再塗装繰り返されたモノの様です。今回は全て剥離し、艶も極力オリジナルに近い状態で仕上げました。当店では、できるだけオリジナル塗装を大切にし基本的に再塗装することはありませんが、状態が状態でしたので、例外的に塗装することを決めました。再塗装は確かにキレイにはなりますが、オリジナルが持っている独特の色(塗装面)の深みが再塗装すると失われてしまうんですよね・・・

 今回の製品は、製品とは呼べない様な物でした。お客様は、購入後、何も手を入れられてないとの事でしたので、販売時からこの状態だったとおもわれます。近くに有った部品をとりあえず寄せ集めて組み立て、形だけ整えたような物です。銘板すら取り付けられていない状態です。

 今回、きちんと整備をさせていただき、制震合金を使用した当社オリジナルのベースに取り付けました。今後、永らくに渡ってご使用いただけます。

 ビンテージ商品には、オリジナルの状態に人の手が入った物は多いですが、今回の様な物はあまり見かけません。Garrard301は市場では人気商品の為、無理やりでも商品に仕立上げられてしまうんですよね。ご購入の際には、十分気をつけていただきたいと思います。

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電話:08636-3-0808
メール:ootsuka@giga.ocn.ne.jp
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