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2017-12

Garrard (ガラード) Model301 修理・オーバーホール S:23682


Garrard (ガラード) Model301の修理にてお預かりしました。

症状
・プラッタ左右で高さが違う

所見
・シャーシ歪有り
・モーター回転重い
・アイドラ滑り発生
・各ゴム部品劣化

処置
・シャーシ修復
・オーバーホール
  モーターオーバーホール(軸受交換、モーターアース線丸端子にて取り付け)
  スピンドルスラストベアリング状態確認
  アイドラすべり止め加工(一時的処置)
  モーター取り付けラバーゴム交換(6個)
  アイソレーショングロメット交換(3個)
  アイドラすべり止め加工(一時的処置)
  ボルトラバー交換
  ブレーキパット交換
  スイッチサプレッサーユニット交換
  各金属部品クリーニング、シリコンコーティング
  機械調整
  24時間以上のエージング後動作確認

プラッタの左右の高さが違うので、治してほしいとの事です。
シャーシからのプラッタ上面の高さが、左右で2mm程度違います。
また、オーバーホール前の動作チェックにて、アイドラの滑り発生とモーター回転が重くなっているのが確認できました。ゴム部品は劣化してヒビが入っています。

シャーシから取り外せる物は全て取り外して、歪の確認を行います。精密に測定できる測定器は有りませんので、スケールを用いて目視にて確認します。
今回のシャーシは何か衝撃を受けたのか、何処にスケールを置いてもピタリとシャーシと合いません。特にスピンドル周辺の歪が大きくなっています。また、モーター取り付け部やトランスミッションの取付部にも歪が有るのでしょう。取り外す時に、少し違和感が有りました。
板金の要領で、少しずつ凸凹を治して行きます。少しばかり時間が掛かりましたが、何とか通常のレベルまで治す事が出来ました。モーター取付部やトランスミッション取付部に感じていた違和感も無くなっています。
この状態でスピンドルだけを組み付け、プラッタを載せて左右の高さを確認すると、差が0.5mm以下までに収まっています。

モーターの回転が重くなっていました。
通常ならオーバーホール前でも35V程度の電圧を加えると回転を始めますが、今回のモーターは50V程度加えないと回転しません。
この機種のモーターは、スタッドボルトで上下からナット締めしてあります。分解時にこのナットを緩めますが、このナットがかなり緩く締められていました。
ソケットレンチのコマを手で回すだけで、簡単にナットが回ります。また、通常では入っていないスプリングワッシャが入っています。
取り敢えず分解し、軸を確認すると、上下共に傷が入っています。下側が特に酷い状態でした。その様子です。


下側は、少し焼き付いている様にも見えます。
軸受には上下ともオイルが適量注油されていました。また、あまり軸とのガタは有りません。
下部軸受の内側は、かなりの深い傷が入っていました。先の細いピンセットで撫でると、凸凹しているのがはっきりと確認できます。
今回は、軸受の交換はしないでほしいとのお客様からのご要望が有りますので、軸受内側を研磨し、再組立を行います。
ただ、今回は軸受に注油されています。このままでは研磨が出来ません。研磨した粉が軸受の内部にオイルに乗って入り込むからです。
軸受を取り外し、オイルを抜いた後に研磨を行い、組み立てます。
調整を行うと、15V程度の電圧で回転し始めました。調整後、30Vの電圧でエージングしますが、15分程経過した時に、回転が止まりました。分解すると下部の軸と軸受両方に傷が入っています。注入したオイルを拭き取ると、軸受が削れたカスが混入しています。
軸受の内側表面が脆くなり、剥がれているのだと思います。
このままではお客様にお返し出来ませんので、お客様のご了承を頂いて軸受の交換を行っています。
交換後はモーターが軽く回転し、振動もかなり減っています。
このモーターの軸受に注油する際には、軸受内側の状態を確認する事が必要です。また、注油後の組立時には、上下の軸受位置の調整を行い、取り付けナットはきちんと締める事が大切です。

アイドラの表面が固くなり、滑りが発生していました。
アイドラの交換も行わないでほしいとの事でしたので、お客様のご了解を頂いて一時しのぎ的な処理を行っています。

ゴム部品が劣化していましたので、全てのゴム部品を交換しています。
交換前の状態の一部です。

こうなると、モーターの振動がシャーシに伝わり易くなります。
交換後の様子です。

オーバーホールを実施した事で、安定して定速回転し、ゴロ音の原因である振動も常識範囲に治まっています。
当店ではGarrard 301/401の今後も安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、Garrard 301/401のメンテナンスをご検討中の方、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の購入・修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
:メール:vintageaudio@csis.jp
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