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Garrard (ガラード) Model301 オーバーホール S:47161


Garrard (ガラード) Model301のオーバーホールにてお預かりしました。

所見
・アイドラ滑り発生
・モーター軸受オイル抜けにより摩耗進行
・電源コードプラグ側にて芯線露出
・電源カバー破損

処置
・アイドラ交換(リビルト品使用)
・電源コード交換
・アイドラ軸受交換
・電源カバー交換
・スピンドル下部ガスケット交換(御支給品使用)
・オーバーホール
  モーター分解清掃、注油、軸受交換、調整
  スピンドル分解清掃、注油
  モーター取り付けバネラバースリーブ全数交換
  トランスミッション部アイソレーショングロメット全数交換
  スイッチサプレッサーユニット交換
  ブレーキパッド交換
  ボルトラバー全数交換
  機構部品分解清掃、シリコンコーティング
  24時間以上のエージング語、動作確認

作業前確認で、アイドラの滑りとモーターの過大振動、スイッチOFF時の引っ掛かりが確認出来ました。また、電源電圧を切り替える部分のカバーに大きな亀裂が数本入っています。
モーターを分解すると、いつも通りに軸受にオイルが全く有りません。モーター軸にも傷が入っています。
また、機構部には不要なグリスがべっとりと塗られています。不思議な事に、必要な所には塗られていない箇所が有ります。
モーターの軸受交換から実施します。
軸受を交換した後、軸とのなじみを出す為に最初に実施して、エージング時間を確保する為です。
モーター軸の傷を取り、いつも通りのクリアランスに調整して組み上げます。上下の軸受位置を調整して、20V前後の電圧でスムースに回転している事を確認後、いつもの手順で軸と軸受のなじみを出して行きます。
その間に、他の部分を分解清掃し、シリコンコーティング実施後、再組立てを行います。
エージングを行っているモーターを分解して、軸と軸受に異常が無い事を確認し、再度組み立て・調整を行ってモーターAssyに組み上げます。
100Vで異常振動や異音の無い事を確認してシャーシに組み込み、回転スピードや回転ムラが規格に入っているのをチェックして24時間エージングを行います。
エージング完了後、動作チェックを行いますが、少し気になる事が有りました。ストロボマークを見ていると、若干ですが回転ムラが有ります。測定すると0.036%と製品規格内でしたので、お客様に完了報告と費用のお知らせを行います。
ご入金確認が出来て発送の梱包を行う前に、最終チェックを行いますが、ここで問題発生です。
回転ムラが異常に多く、ストロボマークの1個分程度ふらついています。前日までこの様な症状は出ていません。
お客様にご承諾を頂いて、トラブルシューティングです。
まず、最初に疑うのはアイドラですが、本製品に使用していたアイドラを他の製品に組み付けても全く問題は有りません。当店に在庫しているアイドラ全てを試しましたが、症状は一向に収まりません。
アイドラの軸受を交換しても症状は変わりません。
モーターを分解して軸と軸受の状態を確認しても、全く異常は有りません。
軸受を元の部品に交換して組み立てて確認すると、モーター自体が大きく振動してプラッタまで振動してしまいます。
念の為、軸受を再交換します。少しでも振動を減らす為にクリアランスを若干狭めています。
一連の作業を行ってシャーシに組み込み、動作確認を行いますが、殆ど変化は有りません。
このモーターAssyを他のシャーシに取り付けると、全く問題無く動作します。
試しにプラッタとアイドラを外した状態で電源を入れてモーターを回すと、1秒間に2回ほど振動が出ます。モーターAssyをシャーシから外してモーターを回すと、静かに回転しています。また、モーターAssyをシャーシに取り付けるねじを閉め込むと症状が出て、緩めると治まります。
モーターに関する交換部品は軸受だけです。ただ、素材が純正は銅ベース、交換部品は鉄ベースの含油合金ですが、今までにこの様な問題は発生していません。
お客様にお返しする事が遅れますが、長期連続運転を行います。
7日間連続運転を行い、8日目に振動が減り始め、9日目に通常と同じ状態まで戻りました。Wow/Flutterを測定すると、0.038%です。モーターを分解しても、異常は有りません。
この状態でお客様にご了承を頂き、返却させて頂いています。

何故、この様な現象が発生したのでしょうか。
私の個人的な推測ですが、モーターの軸受を交換し、軸とのクリアランスを適正化するとモーター自体の振動が減り、トルクも大きくなります。ただ、振動のスペクトルが変化しますので、シャーシと共振を起こしていたのではないでしょうか。
軸と軸受の当たりが長期エージングにより変化し、振動のスペクトルが変わって共振が収まって通常の状態に戻ったのではないかと思います。
Garrard Model301のシャーシは剛性は意図的に高くしていないと思っています。それがこの製品の評価を上げているのだと思いますが、今回はそれが裏目に出たように思います。

今回のオーバーホールにてモーターの回転数が規定に戻り、振動も少なくなっています。また、アイドラも交換していますので、モーターのトルクが確実にプラッタに伝わっています。ゴム部品も新品に交換していますので、Garrard Model301らしい再生音が蘇っているでしょう。
当店ではGarrard 301/401の今後も安定したメンテナンスができるように、部品関係は常にストックしておりますので、Garrard 301/401のメンテナンスをご検討中の方、お気軽にお問い合わせ下さい。

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商品の購入・修理のお問い合せは下記までご連絡下さい。
電話:0863-53-9922
:メール:vintageaudio@csis.jp
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